地方の時代は本当に来るのか

公開日: 更新日:

「地域力の再発見」岩佐礼子著

 人はしばしば先進国は自ら発展する力を内に秘め、途上国は外から発展力を注入しないといけないと考えがちだ。これに異を唱えた比較社会学者・鶴見和子は地元社会を「同じ生態系を共有する村と町との連続体」と捉え、これが複数重なり合う地方が伝統的に保持するフトコロの深さを評価して「内発的発展論」を唱えた。

 本書はこの概念を踏まえ、現代の地域再生の可能性を地元社会の中に横たわる「教え合い・学び合い」の力に注目する。硬派の学術書だが、底に流れる精神は柔軟で奥深い。(藤原書店 3600円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意