「明日の色」新野剛志著

公開日: 更新日:

 吾郎は、ホームレスに住居を提供して生活保護を受けさせ宿泊料や食費を徴収する宿泊所の施設長。ある朝、入所者の槐多が施設の壁に落書きした絵を見た通りがかりの男が、吾郎に声をかけてきた。男は同じ絵を自分が営むバーの壁に描いてもらいたいという。思わぬ臨時収入を得た吾郎は、現代アートに詳しい男から素質があると太鼓判を押された槐多でひと儲けを企む。美術教師をしている友人によると、若手芸術家を世に出すギャラリーの経営者をギャラリストと呼ぶらしい。副業がオーナーにばれてクビになった吾郎は、槐多を施設から連れ出し、ギャラリストになるために奔走を始める。

 寂れた商店街を舞台にした下町人情物語。(講談社 1750円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"