「界」藤沢周著

公開日: 更新日:

 仕事で秋田県の土崎を訪ねた「男」は、終了後、目についた禅宗の古刹に足を踏み入れる。仕事の予定が入ったとき、学生時代の恋人の墓参もと頭をよぎったのだが、彼女の墓の場所さえも知らず、自分の浅はかさに嫌気がさす。タクシーの運転手の話では、竿燈まつりの季節には久保田城跡の千秋公園のハスの花が見ごろだという。30年前に彼女と竿燈まつりを見物したが、ハスの花を見た覚えはない。飲み屋街で、かつて彼女と入った店を探していた男は、それらしい店を見つける。応対した老婆に2階に通された男は、そこが「ちょんの間」だと気づく。(「千秋」)

 新潟県月岡、鹿児島県指宿などさまざまな土地を漂泊する男につきまとう死と官能を描く連作小説。

(文藝春秋 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網