「界」藤沢周著

公開日:  更新日:

 仕事で秋田県の土崎を訪ねた「男」は、終了後、目についた禅宗の古刹に足を踏み入れる。仕事の予定が入ったとき、学生時代の恋人の墓参もと頭をよぎったのだが、彼女の墓の場所さえも知らず、自分の浅はかさに嫌気がさす。タクシーの運転手の話では、竿燈まつりの季節には久保田城跡の千秋公園のハスの花が見ごろだという。30年前に彼女と竿燈まつりを見物したが、ハスの花を見た覚えはない。飲み屋街で、かつて彼女と入った店を探していた男は、それらしい店を見つける。応対した老婆に2階に通された男は、そこが「ちょんの間」だと気づく。(「千秋」)

 新潟県月岡、鹿児島県指宿などさまざまな土地を漂泊する男につきまとう死と官能を描く連作小説。

(文藝春秋 1200円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    M4~5級が異例頻発…南海トラフ地震「1~2年後」と専門家

  2. 2

    外国人技能実習生「怪死」にチラつく“反社会的勢力”の影

  3. 3

    難役を次々好演…林遣都は主役を光らせる最高の助演男優

  4. 4

    志村けんの「酒・カネ・オンナ」68歳の優雅な独身貴族生活

  5. 5

    キンプリ早くも「嫌いなジャニーズ」に…なぜアンチ多い?

  6. 6

    ゴーン後継トヨタ副社長も ルノーが西川社長を追放する日

  7. 7

    長谷川博己と破局報道 鈴木京香「もう育てきった」の真意

  8. 8

    13勝左腕ガルシアと破談…怒り心頭の中日が疑う“巨人の影”

  9. 9

    日ハムと巨人では“雲泥の差” 注目2球団補強の中身と狙い

  10. 10

    日大医学部“裏口入学”問題…逆ギレ学部長の呆れた言い訳

もっと見る