「下山事件 暗殺者たちの夏」柴田哲孝著

公開日: 更新日:

 昭和24年5月、行政機関の職員26万余人を整理する「定員法」が可決。時同じくして「日本国有鉄道公社」が発足、初代総裁に下山定則が就任する。10万人規模の人員整理を課せられた下山は、他の労組からも馘首の象徴としてやり玉に挙げられる。

 下山は、国鉄労働組合の右派勢力の情報を集める一方、日本交通公社を通じて旧満州鉄道の残党が設立した出版社に裏金が流れている証拠をつかむ。出版社の背後には、GHQのG2(参謀第2部)直属の特務機関の総帥・八板が社長を務める亜細亜産業がいた。下山の不穏な動きに気づいた八板は、機関のメンバーを動かす。

 事件関係者を祖父に持つ著者が、昭和史最大の謎の真相に迫る長編小説。

(祥伝社 2000円+税)

【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏

  4. 4

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  5. 5

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  1. 6

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  2. 7

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  3. 8

    参政党さや氏にドロドロ略奪婚報道の洗礼…同じく芸能界出身の三原じゅん子議員と“お騒がせ”な共通点が

  4. 9

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  5. 10

    自民党を待ち受ける大混乱…石破首相は“針のムシロ”のはずが、SNSでは〈#やめるな〉が急拡大