「童謡はどこへ消えた」服部公一氏

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「一昔前は、『夕焼け小焼け』や『シャボン玉』『めだかの学校』などの童謡をテレビや街中でよく耳にしたものですが、最近ではほとんど聞かれなくなってしまいました。幼稚園でも、あまり童謡が教えられなくなりました。幼稚園には教科書がないので先生が選んだ歌を園児に教えるのですが、若い先生たち自身が童謡を知らないものだから、結果的に子供たちはテレビアニメの主題歌やCMソングなどはやりの歌ばかり歌っています」

 そもそも、日本ではどのようにして童謡が誕生したのか。

「明治維新以来、日本は西洋化を目指してきました。子供に手っ取り早く西洋の文化に馴染ませる手段として西欧から賛美歌やドイツなどの古い童謡を輸入し、子供が歌いやすく馴染みやすいよう、それに日本独自の歌詞をつけて、小学唱歌にしたんです。たとえば『ちょうちょう』などがそれですね。そして、大正7年に童謡童話雑誌『赤い鳥』が創刊されて、日本に初めて『童謡』という言葉が誕生しました」

「シャボン玉」などの歌が生まれ、童謡は子供たちに浸透した。しかし、第2次世界大戦が始まると、戦意高揚歌ばかりが歌われて童謡は影を潜めてしまう。

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