「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」加藤俊徳氏

公開日: 更新日:

 学歴が高くて賢いはずなのに、人をムッとさせる言い方をし、見下すような態度を取る人は少なくない。周囲は「性格だから」と諦めてきたが、これまで1万人の脳画像診断をしてきた著者は言う。

「性格ではなく、実は脳の一部の未発達が原因です。脳には伝達や聴覚などそれぞれの機能をつかさどる8つの“脳番地”があるのですが、高学歴の人の脳は記憶や思考に関する番地が非常に発達しています。逆にいえば、それ以外、特に感情系脳番地が未発達なんですね。ここが未発達だと人の感情が読めず、周囲の雰囲気から情報を取り込み理解することができません。感情が動かないから、目の前で友人が困っていても気に留めず勉強に専念できたし、今も他人の気分を害しても気付かないんです」

 感情系脳番地は脳の左右にある。自己認識をつかさどる領域の左脳のそれが未熟だと自分を省みる力が弱く、他者認識をつかさどる右側が弱いと駄々をこねて無理を通そうとする。そして、左右両方が未発達だと罪悪感を持ちにくく、転じて被害者意識につながる傾向があるそうだ。

「優秀な人なのに取引先とトラブルを起こすのも、医者が患者を不安にする言葉を吐いてしまうのも、そうした理由からです。しかし、それ以上に問題なのは高学歴の人の脳は、感情系脳細胞を包括する扁桃体とその周囲がスカスカなこと。認知症の人のそれとソックリなんですよ。このまま放っておくと認知症のような症状、またコミュニケーション不足が招く孤立からうつ病を引き起こす可能性があります」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢