「ニッポンぶらり旅 アゴの竹輪とドイツビール」太田和彦著

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 居酒屋の達人がつづる紀行エッセー。

 東日本大震災の直後に出かけた横浜では、桜木町駅周辺に自費で桜の苗木を植樹している老画家に誘われ植樹祭に参加。その記念講演で耳にした日本の鉄道建築の父である英国人モレルが眠る外国人墓地などにも足を運び、夜は野毛町の居酒屋「小半(こなから)」で、「しこさし」(指でさばいた新鮮なしこいわし)や、フグ白子よりも上品な「鯛の白子焼き」、さらに母親の味を思い出す中華「萬里」の水餃子などをさかなに杯を重ねる。

 その他、15年ぶりに訪ねた鳥取では刺し身やアゴ子から竹輪までアゴ三昧、さらに故郷の松本や木曽など。8都市を歩きながら復興最中の東北に思いをめぐらす。(集英社 600円+税)

【連載】文庫あらかると

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