残夢 鎌田慧著

公開日: 更新日:

 明治44年、明治天皇の暗殺を企てたとする「大逆事件」に連座し、幸徳秋水らとともに死刑判決を受けた坂本清馬の生涯を描く評伝。

 裁判では、26人の被告のうち、24人に死刑が宣告されたが、清馬ら12人は翌日、天皇の特赦によって無期懲役へと減刑される。

 そもそも事件は社会主義者を一網打尽にして葬るための政府のでっち上げだった。

 清馬は23年後に仮出獄。獄中から無罪を訴え続けた清馬は、1961年、処刑された12人の一人森近運平の妹とともに、再審請求の訴えを起こす。

 しかし、東京高裁は棄却、特別抗告した最高裁にも棄却されてしまう。その89年の生涯をたどりながら、事件の真相、そして国策捜査の危険性を暴く。(講談社 800円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?