「大村智 2億人を病魔から守った化学者」馬場錬成著
大村と研究員たちはいつも小さなビニール袋とスプーンを持ち歩き、あらゆる土壌を採取して研究室に持ち帰り、分析を繰り返す。その地道な研究は、感染者の多くを盲目にするオンコセルカ症の特効薬開発につながった。
2004年、アフリカを訪れた大村を、大勢の子どもたちが取り囲み、歓声を上げた。子どもに手を引かれる盲目の大人を数多く見かけたが、子どもたちの目は輝いていた。
(中央公論新社 2100円+税)