「イーロン・マスク 未来を創る男」アシュリー・バンス著、斎藤栄一郎訳

公開日: 更新日:

 人類の生き残りをかけて、この世界を何とかしたい。そのために地球上のエネルギー構造を変えよう。火星にコロニーをつくって人類を送り込もう。

 こんなとてつもないことを夢見る男がいる。イーロン・マスク。シリコンバレー出の革新的実業家、エンジニアで、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツと比較されることも多い。彼は本物か、それとも大ボラ吹きか。テクノロジー分野で活躍するライターが、「マスク帝国」に足を踏み入れることを許され、「未来を創る男」の実像に肉薄している。

 1971年、南アフリカ・プレトリアに生まれた天才少年は、10歳でコンピューターに出合い、シリコンバレーを目指す。ベンチャー企業のインターン、起業、クーデター、買収など紆余曲折を経てIT長者として名を上げ、少年のころから追い続けてきた壮大な夢の実現に向かって走り出す。

 この世界を何とかしたい。しかし人生は短い。だから仕事はとてつもなくハイペース。全米を自家用機で飛び回り、ワークライフバランスなど無視して仕事に没頭。優秀な人材を見つけるとあらゆる手段で入社を迫る。せっかちで、楽天家で、ときに冷酷。目標が大き過ぎて、余計なことを考える暇がない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁