「[証言]日本のアングラ」西堂行人著

公開日: 更新日:

 唐十郎が新宿の花園神社で紅テント公演をやっていたころ、彼らの演劇活動はアンダーグラウンド演劇(アングラ)と呼ばれた。彼らから見れば「新劇は老劇」で、文学座や民藝はオリジナルをやらず翻訳劇ばかり。そこで唐は既成の役者を使わず、何者かも分からぬ役者の卵が演じることを想定して脚本を書くというバクチを打った。花園神社で公演ができなくなった時、東口がダメなら西口でと、許可が下りないまま西口公園での公演を強行。機動隊が出動する騒ぎになり、新聞に「正月早々アングラ暴れる」という記事が載る。他に別役実など、演劇革命の旗手たちがアングラの過去と現在を語る。(作品社 2600円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…