「眠っているとき、脳では凄いことが起きている」ペネロペ・ルイス著、西田美緒子訳

公開日: 更新日:

 睡眠と記憶の研究分野で、オーバーナイトセラピー仮説という新しい理論が注目されている。恐怖を体験したとき、人は心拍数が増え、歯をくいしばる。こういう無意識の体の反応はノルエピネフリンという神経伝達物質によってコントロールされている。レム睡眠中は脳内のノルエピネフリンの濃度が最も低くなるため、恐怖の記憶が再生されても、恐怖を感じたときの体の反応を呼び起こさない。感情システムが反応しないのだ。
 この仮説で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすようなトラウマの記憶を変えるという治療が始められている。
 脳神経科学者が睡眠と夢と記憶の秘密を解き明かした一冊。(合同出版 2100円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず