現代は“オトコ”にとって本当に生きづらい時代なのか?

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「中高年がキレる理由」榎本博明著

 ちかごろよく見かけるのが「キレるオヤジ」。若者が群れていると押しのけ、電車の中で他人と口論。店員の態度が悪いと口汚く罵る姿も多い。そんな情けない姿をさらす現代の“未熟年”(未熟な年寄り)たち。

 理由は何か。教育心理学者の著者によれば中年は何より人生の折り返し点。加えてIT時代は過去の経験が役立たず、新しいことだけに価値があるような風潮を生み出した。モンスタークレーマーの攻撃に耐える「感情労働」のストレスも大きく、家庭でも伝統的な父や夫の立場は危うい。それらが積み重なった結果がキレるオヤジの大量出現なのだ。

 キレそうな衝動が起こったら一呼吸おいてその場を見回し、自分の価値観をいったん棚上げして事に臨むのがよいと本書。それができれば世話はないとも言えるのだが。(平凡社 760円+税)


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