現代は“オトコ”にとって本当に生きづらい時代なのか?

公開日: 更新日:

「中高年がキレる理由」榎本博明著

 ちかごろよく見かけるのが「キレるオヤジ」。若者が群れていると押しのけ、電車の中で他人と口論。店員の態度が悪いと口汚く罵る姿も多い。そんな情けない姿をさらす現代の“未熟年”(未熟な年寄り)たち。

 理由は何か。教育心理学者の著者によれば中年は何より人生の折り返し点。加えてIT時代は過去の経験が役立たず、新しいことだけに価値があるような風潮を生み出した。モンスタークレーマーの攻撃に耐える「感情労働」のストレスも大きく、家庭でも伝統的な父や夫の立場は危うい。それらが積み重なった結果がキレるオヤジの大量出現なのだ。

 キレそうな衝動が起こったら一呼吸おいてその場を見回し、自分の価値観をいったん棚上げして事に臨むのがよいと本書。それができれば世話はないとも言えるのだが。(平凡社 760円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議