「一年有半」中江兆民著 鶴ケ谷真一訳

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 喉頭がんで余命を宣告された明治の偉人が、遺書代わりに書き残した随筆。

 明治34年の春、滞在中の大阪で受診した著者は、医師から切開手術が必要だと言われ、すぐにがんだと察する。半年前からせき込むようになり、別の医師に喉頭カタルと診断され放置していたのだ。

 すぐに手術を受けるつもりだったが、妻らに反対され、手術は断念。臨終のその日まで、1日も無駄にするまいと決めて、医師に尋ねると、余命1年半と宣告された。せいぜい5、6カ月と考えていた氏はめぐまれたような気分になる。進行する症状とともに、政治や政治家への痛烈な批評や時間を惜しむように通い詰める人形浄瑠璃への思いまで。

 新訳で蘇った明治時代のベストセラー。(光文社 1040円+税)


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