「男たちよ!」時代は変わったが…主夫になりたい男の現実

公開日: 更新日:

「『専業主夫』になりたい男たち」白河桃子著

 かつて伊丹十三著「女たちよ!」が名著と呼ばれた時代があった。いまは女が男たちをイジり倒す時代だ。

 言葉だけならもう珍しくなくなった「専業主夫」。しかし実際にいるかというと、大半の読者は首を横に振るだろう。オヤジ世代はむろん30代40代にだって、まず身近には見ない聞かないのが普通ではないか。

少子化ジャーナリスト」の著者によれば、高収入のキャリアウーマンと主夫志望の男たちとの婚活パーティーを雑誌の依頼で企画したところ「主夫になりたい=外で働かない」男なんて! と総スカンだったという。要は女も主夫は嫌いということだ。だが、著者は「私より仕事ができてリードしてくれるような人」などと望むのはコムスメ時代の幻想だとバッサリ。

 著者によれば「主夫」という言葉は「イクメン」より早くドラマにもなっているし、ママのサポートの意味合いの濃い「イクメン」とメーンで家事全般を担当する「主夫」とは中身もまったく違うとも指摘する。イクメンははやりだが、主夫は男のプライドをきっちり捨てないと無理。

 主夫やその妻の実例やインタビュー、座談会などが豊富に紹介されている。(ポプラ社 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る