「安芸広島 水の都の殺人」梓林太郎著

公開日: 更新日:

 広島から上京した若い女性が旅行作家の茶屋の事務所を訪ねてきた。水砂と名乗る女は、身に覚えのない母親殺しの罪で7年服役して3カ月前に出所したばかりだという。事件に興味を抱いた茶屋は、次の取材先を広島に決め、現地に向かう。7年前、ラブホテルで放火事件が起き、客の男女が焼死。その女性が水砂の母親の容子だった。

 警察は、ホステスとして働いていた19歳の水砂が、容子がラブホテルに入るのを目撃して逆上し放火に及んだと決めつけたという。水砂は裁判でも無実を主張したが、容疑を晴らすことができなかった。広島で当時の関係者を訪ね歩く茶屋に現地の警察から牽制が入る。

 茶屋が広島の冤罪事件の真相に切り込む人気旅情ミステリー最新刊。(祥伝社 860円+税)


【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方