「芸人最強社会ニッポン」太田省一著

公開日: 更新日:

 芸人はいまや、お笑いを飛び出し、ありとあらゆる分野に進出。そんな日本の社会を「芸人万能社会」と名付け、その実態を読み解く社会論。

 芥川賞を受賞したピースの又吉直樹ら、各分野に進出した芸人たちの活動を分析。彼らが他の分野で成功しても芸人であり続けるのは、本業以外の失敗によって社会的生命が絶たれるリスクを回避するとともに、芸を披露しなくなったことで、芸人としての評価が下がりようがない無敵状態をつくりだしていると指摘。芸人がこのような万能性を獲得した背景には、あらゆる局面においてコミュニケーション能力の高さを過剰に求める社会的要請があると説く。芸能史をたどりながら芸能万能社会の行く末を見つめるお薦め本。(朝日新聞出版 760円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」