「ぼくの花森安治」二井康雄著

公開日: 更新日:

「暮しの手帖社」元副編集長が、NHKのドラマ「とと姉ちゃん」で話題の花森安治の思い出をつづったエッセー。

 大阪出身の著者は、1969年に同社に入社。編集長の花森は、取材から撮影、原稿書き、レイアウト、カット描き、そして広告まで、雑誌作りのすべてを手掛けて、そのどれもが一流だったため、部下がうまくできないと激しく怒った。著者も8年間仕えて、一度も褒められたことがないという。入社して3年目、初めて記事を書いたときなど、全編集部員の前で面罵されたそうだ。

 一方で非常な気遣いの人で、結核で入院した著者に音楽のカセットテープを送ってくれたりもしたという。豊富なエピソードを交え、師と仰ぎ、父と慕う花森の仕事と素顔を紹介する。(CCCメディアハウス 1400円+税)

【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々