「ファイティング40、ママはチャンピオン」鈴木一功著

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 2児の母であり、PTA会長もこなす40歳の妻が芝居の役づくりのためボクシングジムに通い始めたところ、ある日4回戦ボーイの鼻をへし折ってしまう。ジムの会長に才能を見いだされた妻はそれを機に本格的にトレーニングを始め、劇団主宰者で役者の夫の困惑をよそにめきめきと実力を上げていく。

 一方、妻の活躍に取り残された気分になった著者は、妻との関係にさえ自信をなくし、落ち込む日々だ。妻の代わりにPTAに出席し、子供の弁当を作っている間に、妻の肉体は鍛えられ、プロテストに合格した妻はやがて、女子フェザー級世界王座挑戦者に……。

 戦いの日々に、夫婦と家族の絆を問い直すエンタメ中編小説。著者は昔ボクシングをやっていただけに、試合シーンやボクシングに関わる人々の描写がリアリティーにあふれる。(新潮社 1500円+税)

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