文豪の意外な素顔に触れる本

公開日: 更新日:

「戦争と一人の作家」佐々木中著

「桜の森の満開の下」などの小説や、「堕落論」などのエッセーで知られる坂口安吾の作品群を、新たな切り口で読み直す論考。

 安吾の全作品に通底する概念は「ファルス」であり、彼は一度たりともそこを離れたことがないファルス作家であると定義。ファルスとは、笑劇や道化などと訳されるが、安吾にとっては「戯作」こそがファルスと同義だったという。安吾は当初、「ファルス」と「ファルス論」を交互に執筆。しかし、ファルスと定義された一連の作品も、その後の「吹雪物語」や「白痴」も、彼によるファルスの定義を裏切り、失敗を余儀なくされたと指摘する。さらに戦時下を生きた作家が戦中戦後に書いた作品を丹念に読み込みながら、なぜ彼がファルスを書くことに失敗し続けたのか。そして彼の真のファルスと呼びうる作品はどれかを論じる。(河出書房新社 2200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に