文豪の意外な素顔に触れる本

公開日: 更新日:

「鉄幹と文壇照魔鏡事件」木村勲著

 明治34年3月、書店に並んだ「文壇照魔鏡」なる書物が物議を醸す。著者、発行者、発行地がすべて架空だったその本は、前年4月に創刊され急伸長していた雑誌「明星」の主宰者・与謝野鉄幹の女性問題や金銭を巡る道徳性を糾弾するすさまじい非難の書であった。他のマスコミも追随して、鉄幹へのバッシングがはじまり、それは年末まで続いたという。

 そのスキャンダルの渦中で結ばれた鉄幹と晶子、そして鉄幹を愛しながらも親の決めた結婚を受け入れた山川登美子、そんな登美子に密かに思いを募らせ、文壇照魔鏡を世に出したと思われる文学青年・高須梅渓。本書は、騒動の背景を解き明かしながら、事件が各人のその後の人生に与えた影響や、社会に投げかけた問題を考察するノンフィクション。(国書刊行会 2200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に