「テロルとゴジラ」笠井潔著

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 昨年公開された映画「シン・ゴジラ」は、興行収入80億円を超える大ヒットとなったが、この映画を巡ってさまざまな批評が展開されたのも特筆される。本書の表題作もそのひとつ。著者はすでに東日本大震災の際に、放射能汚染を「ゴジラ」に擬しつつ、過剰な同調圧力と陰湿な異物排除が混在した「ニッポン・イデオロギー」を批判した「3・11とゴジラ/大和/原子力」という評論(本書所収)を発表している。

 表題作はその議論を踏まえつつ、1954年の第1作「ゴジラ」に立ち返り、福島第1原発の事故を明瞭にモチーフにしている「シン・ゴジラ」と、74年の東アジア反日武装戦線の天皇暗殺計画をモデルにした桐山襲の小説「パルチザン伝説」(84年)の2つの作品を論じたもの。ここでは日本のラジカリズムの変転と戦後日本と米国との関係などが根源的に分析されている。

 表題作を含む小説、映画、アニメなどの文化表象論、および政治・社会思想論等を収めた最新評論集。(作品社 2200円+税)

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