仕掛けられた罠にはまってみる最新ミステリー本特集(4)祖母が残した数え歌のメッセージ
「傾斜のマリア」恩田陸著
裏切りは不快だが、裏切られてうれしいのがミステリー。読者を惑わす作者の奸計にはまってもがいている時間こそが、ファンにとっては至福の時間なのだ。
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「傾斜のマリア」恩田陸著
神原恵弥はアメリカの医薬品コングロマリットを辞め、N崎県にある人工島の廃虚にやってきた。N崎出身の祖母の遺言の意味を探るためだ。それは「ひとつ おきましょ かたむく マリア……」という数え唄と、古くから伝わる菓子の絵が描かれた奇妙な遺言だった。
同行した多田直樹が、恵弥に会ってほしい人がいると言いだした。紹介されたN崎大学教授の板倉実は、「かたむく マリア」の唄はお菓子の唄ではないのではないかと言う。
そして「アキコ・スタンバーグ博士に連絡を取りたいんです」と言った。博士は恵弥が勤めていた企業が極秘で化学兵器を製造していることを告発するため、アメリカから脱出した。博士が探している物質が発見された、このN崎にいるのではないかと。果たして数え唄に隠された謎とは……。
神原恵弥シリーズ、待望の最新刊。 (双葉社 1980円)


















