「みすゞと雅輔」松本侑子著

公開日: 更新日:

 2014年、詩人・金子みすゞの実弟、上山雅輔の約70年にわたる膨大な日記と回想録が発見された。

 みすゞが20歳で雑誌に詩を投稿し始めてから26歳で自死を遂げるまでの時期も含まれ、本書は、その資料から明らかになった事実を基に、みすゞの語られることのなかった心情を描いた伝記小説である。

 大正中期、北原白秋や西條八十らが提唱する童謡は、子どもの自由な心を表現する新しい芸術表現として国民的な人気を得ていた。みすゞも、白秋や八十らが主宰する雑誌に詩を投稿し、当選者の常連となる。幼いときに実母の姉夫婦の養子に出され、長ずるまでみすゞを従姉と思っていた雅輔にとって、みすゞは憧れであり、淡い恋心を抱く存在だった。

 頻繁に手紙を交わし互いを励ましていたが、放蕩にかまけ結婚後のみすゞの苦悩を理解せずに彼女を死なせてしまったことは、雅輔を生涯苦しめることになる――。

 実弟の目を通して、今や国民詩人となった金子みすゞの秘められた内面に迫った力作。(新潮社 2000円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    東出昌大は「不倫常習者の典型」と識者…杏は苦しい決断に

  2. 2

    東出昌大は「帰宅拒否症」だった“理想の夫婦”の哀しい現実

  3. 3

    遅すぎた対応…東京五輪本番に“感染パニック”襲来の危機

  4. 4

    東出昌大“裏の顔”浮き彫りに 子育ておろか家事もせず不倫

  5. 5

    杏&東出昌大「2億円豪邸」は離婚危機の歯止めにならない?

  6. 6

    夫・東出昌大の不倫をバネに?三児の母・杏の気になる今後

  7. 7

    杏と東出は別居…ドラマ共演で結婚した夫婦が離婚するワケ

  8. 8

    菅原前経産相の再選後押し 立憲・国民の不毛なメンツ争い

  9. 9

    東出昌大と不倫の唐田えりか ドラマ出演シーン削除の余波

  10. 10

    CM降板も…東出昌大「引退危機」不倫疑惑で視聴者総スカン

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る