「わたつみ」花房観音著

公開日: 更新日:

 主人公は、上京して夢だった映画製作を始めたものの、男にダマされて借金をつくり、故郷に帰らざるを得なくなった京子33歳。

 田舎は人間関係が狭く、何もかもがあっという間に噂話となって伝わってしまうため、せめて大きな工場で人に紛れて働こうと思い、地元の海産物加工工場「わたつみ」でアルバイトを始めた。

 そこで出会ったのは、中学の同級生でシングルマザーの美津香、50代半ばの真知子、東京育ちの夫と、はやらないカフェを開いているくるみ、30すぎても男と付き合ったことがない千里、2回り以上違う年上の男に嫁いだ20歳のフィリピン人のカレンら、東京では縁のなかった人たち。好奇心と嫉妬心がうずまく環境のなかで、それぞれが人に言えない事情を抱えていた……。

「花祀り」で第1回団鬼六賞大賞を受賞してデビューして以来、官能小説やホラー小説の分野で注目されている作家の最新作。田舎町で繰り広げられる女たちの性愛をこまやかに描いている。(中央公論新社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    伊原陵人の女性トラブル報道と関係が? 阪神の若手有望株を巡る“不可解な塩漬け”

  2. 2

    NHK「のど自慢」見ていて、あの政党の党勢縮小の理由がわかった

  3. 3

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  4. 4

    維新から入閣の中司宏新大臣に案の定「裏金疑惑」…高市内閣は支持率20ポイント暴落もある

  5. 5

    DeNA構想外の藤浪晋太郎を拾いそうな「意外な2球団」 “瀕死の剛腕”にはこれだけの魅力

  1. 6

    藤島ジュリー景子もう復活 懲りない真っ暗闇集団「旧ジャニーズ」と、それを許すテレビ局

  2. 7

    『ペイパーバック・ライター』60年前の日本との実力差を感じる凝った機材セッティング

  3. 8

    藤島ジュリー景子氏「復権の宴」と、「死ぬほど悔しい」と今もむせび泣くジャニー喜多川氏性加害被害者の肉声

  4. 9

    水前寺清子(4)気をつけていることといったら、「自分の心と違うことは言わない」ぐらいかな

  5. 10

    結核とは違う感染症「非結核性抗酸菌症」患者が増加…人からうつらないのに感染するのはなぜ?