「『米中経済戦争』の内実を読み解く」津上俊哉著
現代中国研究の第一人者が、トランプ政権誕生後の米国と中国の政治・外交・経済の関係を論じたリポート。
トランプ大統領の誕生で明らかになった社会の亀裂は、米国という国、政体が、市場経済に立脚した開放的な経済政策や多様性を重んじるリベラルな価値観を、これ以上支え切れなくなっている現実を示しているのではないかと指摘する。
一方、経済力にものをいわせて、米国が抜けた後の世界のリーダー席を狙う中国だが、その肝心の経済は短期の崩壊は考えられないが、長期の見通しは悲観的だと論じる。その前提を踏まえ、それぞれの政権内の権力抗争や、相手国に対する政策、そして北朝鮮問題の今後の展開まで、両国関係の今後を読み解く。
(PHP研究所 860円+税)