• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger
飯田哲也
著者のコラム一覧
飯田哲也

環境エネルギー政策研究所所長。1959年、山口県生まれ。京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻。脱原発を訴え全国で運動を展開中。「エネルギー進化論」ほか著書多数。

自らの選択を肯定することが幸せに

「僕らは生きる場所を選べる。」WYP 1500円+税

 今、デンマークが熱い。

 玩具のレゴやチボリ公園は以前から有名だが、今や「世界でもっとも幸福な国」として注目を浴びる。税金は高いが、社会的にも平等で階層がほとんどなく「アメリカよりもアメリカンドリームを実現しやすい国」とされ、創造的で変革に富む企業競争力の高い国として知られる。

 夏休みはしっかり5週間取り、日本よりもずっと平均労働時間が短いが、労働者1人・単位時間当たりの国内総生産(GDP)は日本の倍以上と生産性の高い社会だ。原発は40年前に国民的な議論で拒否し、住民所有の風力発電などで自然エネルギーが7割近くに達している自然エネルギーの先駆者であり先進国でもある。

 本書はその「謎」にインタビューで迫る。「デンマークに暮らす8人の人生から、これからの生き方を考える旅」と副題にあり、クールな雑誌の編集長、140人で共同体生活を送っている住民、カフェやショップのオーナー、2つの家族たちという、それぞれの物語に混じって、3人の日本人も登場する。世界一刺激的なビジネススクール「カオスパイロット」の学生、「風のがっこう」の創立者、ホイスコーレ(民衆高等学校)の教師だ。

 8人との会話を読み進むと、「自由に満ちたデンマークで幸せになれる方法は、自らの選択を肯定すること」とのくだりに出くわす。確かにそうなのだ。エネルギー政策でも他の社会政策でも、みんなで対話を重ねながら、自然と科学と人間社会の道理が通じる当たり前のことを当たり前に選択してきた社会なのだ。

 本書を読むと、日本に居たままデンマークを旅し彼らに出会い会話しているかのようだ。日本で息苦しさや行き詰まりを感じている人は、ひょっとすると、その「会話」を通して、これからの生き方が見えてくるかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    キムタクは“御一行”で…被災地を単身訪れた斎藤工との差

  2. 2

    逸材ゴロゴロ 夏の甲子園“契約金1億円”ドラ1候補7人の名前

  3. 3

    被災地で黙々とボランティア活動 吉川晃司の“気骨と矜持”

  4. 4

    衝撃の発毛剤CM 草彅剛の“捨て身っぷり”が称賛されるワケ

  5. 5

    石破氏の「公平な行政」パクリ…安倍首相の姑息な争点潰し

  6. 6

    フジは稲垣をドラマ起用 立ち位置に違いが出始めた元SMAP

  7. 7

    進学説の真偽は…金足農・吉田輝星めぐるプロ争奪戦の内幕

  8. 8

    大物2世タレントの彼は20歳上の私に「部屋に行きたい」と

  9. 9

    高まる認可白紙の可能性 小池知事が来月迎える「敗戦の日」

  10. 10

    元SMAP3人は自由を謳歌 シャッフルして新たな仕事が急増中

もっと見る