「欲望の民主主義」丸山俊一、NHK「欲望の民主主義」制作班著

公開日: 更新日:

 イギリスのEU離脱に始まり、アメリカのトランプ大統領誕生や、フランスでの急進的な右翼の台頭など、近代国家を支えてきた民主主義の制度疲労とも思える現象が世界各地で起きている。

 民意という名の大義名分は、民主主義の理念からかけ離れ、目先の利益と自国の生き残りを優先し、社会の分断を引き起こしている。そんな世界を目の当たりにして、改めて現代の知性と呼ばれる識者に民主主義とは何かを問うたインタビュー集。

 各国で民主主義への熱意が薄れていった背景を分析するアメリカの政治学者ヤシャ・モンク氏をはじめ、揺れる社会の中で人々の心の問題に迫るフランス人哲学者シンシア・フルーリー氏らが、混迷する世界と、そこで起きている現象の深層に迫る。(幻冬舎 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり