「経済で謎を解く関ヶ原の戦い」武田知弘著

公開日: 更新日:

 関ケ原の戦いが、たった数時間で勝敗が決まったのはなぜか。日本史の謎のひとつを、経済という視点から読み解く歴史読み物。

 戦いの前、石田三成と徳川家康の間では、経済戦争ともいえる状態が起きていた。秀吉の死後、家康は三成が管理していた豊臣家の直轄領を勝手に諸大名に知行として与え始める。豊臣家のパワーを弱めた上に、豊臣家の資産で諸大名に恩まで売ったのだ。その知行乱発で恩恵を受けたのが、関ケ原の戦いのキーパーソンとなる小早川秀秋だった。

 その上で関ケ原の戦いでわざわざ三成が挙兵しやすい状況をつくったり、不利な陣形で戦いを始めた理由を家康の経済事情から解説。歴史のもうひとつの見方を教えてくれる、読めば納得の面白本。(青春出版社 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解