「経済で謎を解く関ヶ原の戦い」武田知弘著

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 関ケ原の戦いが、たった数時間で勝敗が決まったのはなぜか。日本史の謎のひとつを、経済という視点から読み解く歴史読み物。

 戦いの前、石田三成と徳川家康の間では、経済戦争ともいえる状態が起きていた。秀吉の死後、家康は三成が管理していた豊臣家の直轄領を勝手に諸大名に知行として与え始める。豊臣家のパワーを弱めた上に、豊臣家の資産で諸大名に恩まで売ったのだ。その知行乱発で恩恵を受けたのが、関ケ原の戦いのキーパーソンとなる小早川秀秋だった。

 その上で関ケ原の戦いでわざわざ三成が挙兵しやすい状況をつくったり、不利な陣形で戦いを始めた理由を家康の経済事情から解説。歴史のもうひとつの見方を教えてくれる、読めば納得の面白本。(青春出版社 920円+税)

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