「ミルコの出版グルグル講義」山口ミルコ著

公開日: 更新日:

 編集者だった著者は退職した後、大学生に編集を教えるという仕事を依頼された。そこで、すべてはグルグルだから、生まれてから死ぬまでの「本の一生」を教えようと考えた。とりあえず出版社倉庫を見学に行くと、これから出荷される本の山と、断裁される本の山があった。

 次に古紙再生工場に行くと、巨大な滑り台があって、大量の本が落下してきた。落下する過程で本はつぶれていき、次の機械にのみこまれる。砕かれていく本を見ながら、かつて自分の作った本もこんなふうに死んでいったにちがいないと思った。

 元編集者が会社の外側に出てから見えた出版の仕組みを説明する体験記。(河出書房新社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」