「ミルコの出版グルグル講義」山口ミルコ著

公開日: 更新日:

 編集者だった著者は退職した後、大学生に編集を教えるという仕事を依頼された。そこで、すべてはグルグルだから、生まれてから死ぬまでの「本の一生」を教えようと考えた。とりあえず出版社倉庫を見学に行くと、これから出荷される本の山と、断裁される本の山があった。

 次に古紙再生工場に行くと、巨大な滑り台があって、大量の本が落下してきた。落下する過程で本はつぶれていき、次の機械にのみこまれる。砕かれていく本を見ながら、かつて自分の作った本もこんなふうに死んでいったにちがいないと思った。

 元編集者が会社の外側に出てから見えた出版の仕組みを説明する体験記。(河出書房新社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明