「斗南藩」 星亮一著

公開日: 更新日:

 斗南藩とは、戊辰戦争に敗れ、故郷を追われた会津藩士とその家族が、現在の青森県下北半島を中心とする旧南部藩の地に流罪となり、つくり上げた藩の名前。後に廃藩置県で弘前県に合併されたため、わずか1年半しか存在しなかったその知られざる斗南藩の歴史をひもとく明治維新史。

 明治新政府は、明治2年、会津藩士の謹慎を解き、南部藩から没収した北郡・二戸郡・三戸郡を会津藩領とする。そこは、実収わずか7000石の不毛の地だった。そんな土地に藩士とその家族、約1万7000人が移住したため、たちまち人々は飢餓に陥り、疫病も流行。日々の暮らしは監獄と同じだったという。移住した会津人家族のさまざまな記録などを紹介しながら、その苦難と再起の日々を追う。

(中央公論新社 820円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?