「SNSを超える『第4の居場所』」 岡田尚起、佐藤大輔著

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 人には、自分のホームベースともいえる第1の場としての自宅と、職場や学校など社会的な活動を行う第2の場がある。けれど、第1の場の自宅と第2の場の会社を往復するだけでは満たされない思いがあり、そんな思いを満たす第3の場として流行したのが、インターネットを通じて人間関係を広げるSNSの世界だった。

 けれど、SNSよりもさらにお互いの体温が感じられるような交流ができる場所はないか。そう考えた著者2人は、インターネットラジオの世界に第4の居場所をつくることに挑戦した。本書は、インターネットラジオ局「ゆめのたね」をつくり上げた彼らの足跡をつづった書だ。

「ゆめのたね」では、高校生から70代の高齢者まで、元暴走族や性同一性障害のある人や引きこもりなど、個性豊かな561人がパーソナリティーとして集う。自分と違う特性を持つ人を色眼鏡で見ることはない、多様性を肌で感じられる媒体としてのインターネットラジオの可能性に目が開かれる。

(アンノーンブックス 1400円+税)


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