「消滅世界」村田沙耶香著

公開日: 更新日:

 雨音は、母親に自分のように「いつか好きな人と愛し合って、結婚して、子供を産むのよ」と繰り返し諭され育った。やがて、雨音は母と父が交尾して生まれた自分は稀有な存在であることに気づく。

 戦時中、男性が徴兵され、戦力になる子供を作るのが目的で人工授精の研究が飛躍的に進んだ現在、夫婦間のセックスは近親相姦とみなされ、忌み嫌われ、性欲は自分で処理するものになっていた。

 真実を知り、母親を嫌悪する雨音だが、成長するとともに自らも今は誰もしなくなったセックスを恋人とするようになる。夫とは「清潔な結婚生活」を送りながら、キャラクターや夫以外のヒトとの恋愛を楽しむ雨音の生活は、実験都市への移住で一変する。

 人間存在の根源を問う問題長編小説。

(河出書房新社 630円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    官邸の暗躍と官僚の忖度…諸悪の起点は2015年になぜ集中

  2. 2

    生存者を無視 拉致被害者家族も見限る安倍首相の“二枚舌”

  3. 3

    米倉涼子「シカゴ」で夏不在でも "視聴率女王"安泰のワケ

  4. 4

    最高月収1200万円…オネエタレントの山咲トオルさんは今

  5. 5

    視聴率首位も視野「3年A組」は数字が評判に追いついた

  6. 6

    フジ「QUEEN」は苦戦中 竹内結子に課せられた“ウラの使命”

  7. 7

    2018年はTV出演たった4本…ゆるキャラ「ふなっしー」は今

  8. 8

    即戦力推進も…オスカープロモーションは新たな試練の時期

  9. 9

    NHK「まんぷく」でまた脚光 東風万智子に“再改名”のススメ

  10. 10

    大阪都構想“クロス選”脅し不発 松井知事に市民ドッチラケ

もっと見る