「消滅世界」村田沙耶香著

公開日: 更新日:

 雨音は、母親に自分のように「いつか好きな人と愛し合って、結婚して、子供を産むのよ」と繰り返し諭され育った。やがて、雨音は母と父が交尾して生まれた自分は稀有な存在であることに気づく。

 戦時中、男性が徴兵され、戦力になる子供を作るのが目的で人工授精の研究が飛躍的に進んだ現在、夫婦間のセックスは近親相姦とみなされ、忌み嫌われ、性欲は自分で処理するものになっていた。

 真実を知り、母親を嫌悪する雨音だが、成長するとともに自らも今は誰もしなくなったセックスを恋人とするようになる。夫とは「清潔な結婚生活」を送りながら、キャラクターや夫以外のヒトとの恋愛を楽しむ雨音の生活は、実験都市への移住で一変する。

 人間存在の根源を問う問題長編小説。

(河出書房新社 630円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?