「死が贈りものになるとき」織田淳太郎著

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 著者の息子、「ゆうだい」は悪性のすい臓がんという診断を受け、2016年11月20日に29歳で世を去った。著者と先妻のA子は深い悲しみに沈む。2人で「大好きだった沖縄の海に散骨しよう」と話し合った夜、A子の夢にゆうだいが現れ、「わざわざ沖縄に散骨に来なくていいから。おらはこれからも、母さんとずっと一緒にいるよ」と笑顔で伝えた。

 そして1カ月後、「魂の声を聴く者」と名乗る人からA子に手紙が届いた。「ぼくはお母さんとともに生きてるよ」と言うゆうだいの声を聴いたと書かれていた。本人から教わったと、その名も「悠悌」と正しく書かれていた。

 死者からのメッセージを受け取って悲しみが癒やされていく姿をつづる。

(中央公論新社 1600円+税)

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