「考える日本史」本郷和人著

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 東京大学史料編纂(へんさん)所教授の著者がその豊富な知識を駆使し、落語の三題噺(ばなし)のように漢字一文字のお題から展開する歴史講義。

「信」のお題では「いちばん最初に造られた銭は、和同開珎」という、誰もが教科書で学んだ知識を取り上げ、和同開珎もそれより古いといわれる富本銭も、そもそも銭だったのかと疑問を投げかける。

 古代社会は物々交換が主流で、銭が流通していたとはとても考えられない。さらに、銭が普及するには国家の信用がある程度、大きくないといけないと、鎌倉時代や江戸時代の銭を巡るエピソードを紹介しながら、銭と国家の信用の関係を解いていく。

 その他、「血」「恨」などをキーワードに、縦横無尽の語り口で日本史のポイントを伝える。 (河出書房新社 840円+税)

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