「南三陸日記」三浦英之著

公開日: 更新日:

 東日本大震災直後、宮城県南三陸町に赴任した新聞記者によるコラム集。

 取材中、記者として必ず聞かなければならないのは自宅と家族のこと。その質問に「申し訳ありません。家も家族も無事なんです」と答えた渡辺宏美さん(35歳)は、取材の翌日、隣市に引っ越していった。断水が続く町では暮らしが成り立たず、何よりも周囲に「あんたはいいちゃね、家も車も無事で」と言われている気がして、胸が張り裂けそうになるからと。

 その他、婚姻届を出しに行ったまま帰らぬ夫との子を産んだ女性とその家族の物語、駐車場の縁石を机代わりに勉強する子供とボランティアの元教師の交流など、被災地で暮らし、被災者に寄り添いながら記された文章に心が揺さぶられる。

 (集英社 550円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンク山川穂高が“戦力外”へ崖っぷち…3カ月ぶり復帰即スタメンは「最後通告」

  2. 2

    ある「アイドル史に残る脱退劇」小瀧望&藤井流星…WEST.ファンから異例の反響 “救い”と称賛されるわけ

  3. 3

    キンタロー。は慎重にものまねしたにもかかわらず、袋叩きに遭った

  4. 4

    「恫喝暴行&中絶強要」報道のソフトバンク村上泰斗(19) 素質だけなら山本由伸クラスだったのに…

  5. 5

    青学大の4年間は「ひたすら駅伝を目指す」だけじゃない 今夏は初の海外合宿に踏み切った

  1. 6

    「橋上代行昇格は絶対ない」 巨人来季監督に浮上する松井秀喜氏、高橋由伸氏に次ぐ「第3の男」

  2. 7

    佐々木朗希の最悪すぎる“退団劇”…ロッテから優秀スタッフ3人を引き抜き、大顰蹙を買っていた

  3. 8

    井伊直政(2)「遅れてやって来た若者」が、徳川家臣団第1位の禄高に

  4. 9

    日向坂46「ひなたフェス」中止でもファンは宮崎へ「43億円」を動かした“推し活地方創生”の底力

  5. 10

    横浜・織田翔希に「直メジャー断念説」が浮上!プロスカウトは依然として1位候補で密着マーク