「復興なんて、してません」渋井哲也ほか著

公開日: 更新日:

 東日本大震災の被災者15人の今を取材したドキュメント集。

 福島県富岡町で両親と妻、3人の子ども暮らしていた伏見さん(33歳)は、原発の爆発に伴い、各地を転々と避難。両親と別れ、妻の実家がある岡山にたどり着いたが、会社が操業を再開したため、単身でいわき市へ戻る。今も家族がそろうのは、年に5回ほどだという。その他、児童教職員84人が津波の犠牲になった石巻市立大川小学校で一人息子を失い、責任の所在をはっきりさせるために県と市を相手に訴訟を起こした佐藤さん(53歳)など。あの日から時が止まったままの被災者のリアルな現実を伝える。(第三書館 926円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし