「江戸の不動産」安藤優一郎著

公開日: 更新日:

 徳川時代、江戸では武士や町人、農民が入り乱れ、土地取引に精を出し、不動産ビジネスが盛んに行われていたという。

 不動産という視点から江戸経済の実態に迫る歴史本。

 100万都市といわれた江戸の土地は、幕府が所有し大名や旗本など武士が拝領した「武家地」、神社や寺院が立つ「寺社地」、町人が住む「町人地」の3つに分類される。江戸の7割を占める武家地は幕府の所有地であり、拝領主には売買が許されていなかった。

 しかし、実際には抜け道があり、売買されていたという。

 そうした武家地の取引の実際や規則をかいくぐるテクニックをはじめ、資産を蓄えた豪商や豪農の不動産経営、維新後の拝領地の払い下げを巡る駆け引きなど。

 世界最大の都市として繁栄した江戸の意外な秘密が明らかになる。

(文藝春秋 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 3

    大阪万博は開幕1カ月を待たずトラブル続出…場当たり説明でGW後半の盛り上げムードに水を差す協会の大罪

  4. 4

    巨人阿部監督はなぜ田中将大にだけ甘いのか…2試合連続炎上でさすがに二軍調整も

  5. 5

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  3. 8

    斎藤元彦・兵庫県知事が頑迷に貫く「治外法権」…公益通報を巡る国の勧告もガン無視

  4. 9

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  5. 10

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???