「『盛り』の誕生」久保友香著

公開日: 更新日:

「日本人の美意識を解明したい」と考えた研究者が、女の子の間で流行する「盛り」と呼ばれる現象に着目。プリクラ、つけまつげ、インスタグラムなど、さまざまなテクノロジーを駆使して、現実とは違うビジュアルを盛ってメディアで公開する技術を「シンデレラテクノロジー」と名付け、女子の間に起こった「盛り」現象を追いかけた。

 本書は、「盛り」がどのように始まりどのように広がっていったのか、誕生から今に至るまでの変遷を明らかにしていく。

 たとえば、当初本人をそのまま映す装置でしかなかったプリクラ機。画像処理技術の向上が、デカ目という現実離れした顔をつくり出し、仲間内のビジュアルコミュニケーションツールとして独自の発展を遂げた。著者は当事者にインタビューするなかで、仲間内の共通言語であるビジュアルツールを駆使して相対的な自分らしさを追求する女子の美意識を発見していく。なおブームの移り変わりは早く、今はデカ目や自撮りブームは去り、自然体の自分を他人に撮影してもらう「他撮り」の時代に突入。なので、撮影上手な男子の人気が急上昇中だとか。

(太田出版 2400円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バタバタNHK紅白 高視聴率でも今田美桜、有吉弘行らMC陣は負担増「出演者個々の頑張りに支えられた」

  2. 2

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  3. 3

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  4. 4

    ロッテ前監督・吉井理人氏が2023年WBCを語る「大谷とダルのリリーフ登板は準決勝後に決まった」

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 7

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  3. 8

    《国分太一だけ?》「ウルトラマンDASH」の危険特番が大炎上!日テレスタッフにも問われるコンプライアンス

  4. 9

    巨人オーナーから“至上命令” 阿部監督が背負う「坂本勇人2世育成&抜擢」の重い十字架

  5. 10

    現役女子大生の鈴木京香はキャピキャピ感ゼロだった