「『盛り』の誕生」久保友香著

公開日: 更新日:

「日本人の美意識を解明したい」と考えた研究者が、女の子の間で流行する「盛り」と呼ばれる現象に着目。プリクラ、つけまつげ、インスタグラムなど、さまざまなテクノロジーを駆使して、現実とは違うビジュアルを盛ってメディアで公開する技術を「シンデレラテクノロジー」と名付け、女子の間に起こった「盛り」現象を追いかけた。

 本書は、「盛り」がどのように始まりどのように広がっていったのか、誕生から今に至るまでの変遷を明らかにしていく。

 たとえば、当初本人をそのまま映す装置でしかなかったプリクラ機。画像処理技術の向上が、デカ目という現実離れした顔をつくり出し、仲間内のビジュアルコミュニケーションツールとして独自の発展を遂げた。著者は当事者にインタビューするなかで、仲間内の共通言語であるビジュアルツールを駆使して相対的な自分らしさを追求する女子の美意識を発見していく。なおブームの移り変わりは早く、今はデカ目や自撮りブームは去り、自然体の自分を他人に撮影してもらう「他撮り」の時代に突入。なので、撮影上手な男子の人気が急上昇中だとか。

(太田出版 2400円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一は実質引退か? 中居正広氏、松本人志…“逃げ切り”が許されなかったタレントたちの共通点

  2. 2

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  4. 4

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  2. 7

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  3. 8

    ドジャースは大谷翔平のお陰でリリーフ投手がチーム最多勝になる可能性もある

  4. 9

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  5. 10

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?