いま行きたい酒場本特集

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「開運酒場」いからしひろき文、芳澤ルミ子写真

 生ビールがおいしくなる夏まであと少し。いや、ジメジメした梅雨の憂さを晴らすためにも、今こそ飲むべきではないか! と、何かにつけて飲みたがるご同輩におすすめしたいのが今回の4冊。運が上がる居酒屋や、ひとり飲みにおすすめの名店などを紹介する酒場本をピックアップした。さっそく今日の帰りにでもいかが?

 うまい酒とつまみを味わい、なおかつ運が上がればこんなにうれしいことはない。そこで、町のパワースポットを詣で、お清めとして近くの酒場で一杯やる、というコンセプトのもとで縁起のいい店を紹介しているのが本書だ。

 サラリーマンの聖地・新橋なら、まずは烏森神社でお参りといこう。主神のウガノミタマノミコトは商売繁盛・商取引成就に御利益があるという。

 お参りが済んだら参道入り口にある「やきとり王将」(写真)の暖簾をくぐろう。年季の入った立ち飲み屋台で、店主の顔は不動明王のごとく怖いが、味は抜群。ほどよい弾力が特徴の豚のカシラは、噛めば噛むほどうま味があふれてくるし、大ぶりのレバーは口に入れた瞬間トロリととろける。すかさずビールをグイッとやれば、もう言うことはない。

 この屋台には、「出世柱」なるものがある。屋台を支える4本の柱のうちの1本だが、昔、その柱をいつも抱えるようにして飲んでいた平社員が、課長に昇進した。以降、ある国会議員が大臣になったり、テレビのロケで訪れた売り出し中の歌手がその年の紅白出場を果たすなど、非常に縁起のいい柱なのだとか。

 常連に配るカレンダーが商売運が上がると評判の、浅草寺近くの「バーねも」や、代々木八幡宮で出世を祈願したら立ち寄りたい魚のうまい居酒屋、その名も「縁家とりつぎ」など、縁起のいい店が目白押し。飲んで開運だ!

 (自由国民社 1300円+税)

「今日もひとり酒場」小宮山雄飛著

 大勢でワイワイ飲むのもいいが、どこまでも自分のペースで、自分の好きなように飲むひとり酒もたまらない。そんなときにおすすめの店を、ひとり飲み愛好家の著者がご案内。

 まず、鴬谷の「鍵屋」に行かずして、一人前の酒飲みとは言えない。安政3(1856)年に酒屋として開業したという老舗の名店だ。頼むのは教科書通り、たたみいわしに熱燗。何しろこの店、女性だけの入店は不可であり、昔ながらの肴で静かに飲めるのがいいところだ。

 パワフルに行きたいなら、水道橋の「でん」だ。賑やかなコの字形のカウンターの中央では、もうもうと煙を上げてモツが焼かれている。これに合う酒は、シャリシャリに凍らせたキンミヤ焼酎を使ったチューハイだ。喧騒のなかのひとり酒もまたよし。自由に楽しもう。

 (扶桑社 1600円+税)

「東京名酒場100」ぴあMOOK編集部

 東京にあまたある酒場の中から、今行っておきたい100店をピックアップ。

 蔵元限定の希少な酒が味わいたいなら、荻窪の「いちべえ」だ。ずらりと並ぶ日本酒はバックヤードも含めると実に300種類。スター銘柄である山形県の十四代や三重県の而今はもちろん、オリジナルの活性にごり酒まで幅広いラインアップが揃う。本書では予算の目安も掲載。同店なら、2人で肴4品に日本酒4合で約8000円だ。

 もっと安く飲みたい! という人は“せんべろ”を選ぶといい。これは「1000円でべろべろに酔える」の意味で、格安居酒屋を指す酒場用語だ。その代表格といえば、「立ち飲みいこい本店」。2人で肴6品と酒類を6杯頼んで何と2380円。気軽に酔いたい日はぜひ。

 (ぴあ 880円+税)

「ブラ酒場」本郷明美著

 雑誌「おとなの週末」の居酒屋担当を務め、3300軒もの居酒屋を巡った女性ライターが、厳選の55店を紹介。

 酒が進んで困ってしまう“飲んべえ泣かせ”の肴が揃うのが、御徒町の「佐原屋本店」。沖漬けや煮こごりなど、白板にびっしり書かれた日替わりのお品書きを見るだけでも楽しい。書き切れなくなると余白に極小文字で書かれるので見落とし厳禁。濃厚なイカの肝を和えた「イカコロ味噌」や「カレールーコロッケ」など魅惑的なメニューが隠れている。

 著者のキャリアの中で「すごい」とうならされたのが、神田の「大松」。イワシ料理専門の立ち飲み屋で、なめろう、酒盗和え、南蛮漬けなどがすべて350円という安さ。秋田の「刈穂」や富山の「銀盤」などいい酒もそろっている。イワシ好きなら直行だ。

 (講談社ビーシー 1000円+税)

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