「日米地位協定」山本章子著

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「日米地位協定」は、米軍が日本に駐留できるよう、基地の使用・行動範囲・経費負担・関係者の権利などを保証するもの。その起源は日本がサンフランシスコ講和条約を締結する際、独立後も占領期と変わらぬ米軍の特権や日本側の経費負担などを定めた日米行政協定を結んだことにある。

 日米行政協定は1960年に日米地位協定へと改定されたが、在日米軍の既得権益の両柱である基地の管理権と裁判管轄権・捜査権はそのまま引き継がれた。なぜ現状のような運用が行われ続けてきたのか。それは日米地位協定が、条文ではなく、両政府が別途作成し、長らく非公開だった「日米地位協定合意議事録」に基づいて運用されてきたからだという。

 戦後の日米関係の軌跡をたどり、日米地位協定の本質に迫るテキスト。

(中央公論新社 840円+税)

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