「旧友再会」重松清著

公開日: 更新日:

 駅の北口で青田さんのタクシーに乗った男は、運転手の自己紹介カードを見て「あおちゃんだろ」と言った。小学校と中学校で同級だった川村さんだった。38年ぶりだ。「ガキの頃、けっこう仲良かったよな」というが、青田さんは川村さんが苦手だった。母親が入所している特別養護老人ホームまで乗せた後、帰りも川村さんの実家まで送ることに。

 夜、警察から行方不明の老人の捜索の協力依頼があった。川村さんの父親だった。「親父にもおふくろにも、長生きしてほしいなんて思っていないんだよ」とつぶやいていたのだが。青田さんは無線で全車両に、川村さんの実家付近に向かうよう命じた。(表題作)

 会いたくない人や忘れていた人との再会を描く5つの短編。

 (講談社 1600円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  4. 4

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 5

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    中川翔子「Switch2転売購入疑惑」を否定も火に油…過去の海賊版グッズ着用報道、ダブスタ癖もアダに

  3. 8

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 9

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る