「八本目の槍」今村翔吾著

公開日: 更新日:

 秀吉が柴田勝家を破った天正11年の賤ケ岳の戦いで武勲を上げた「賤ケ岳七本槍」の一人、加藤虎之助(清正)。肥後半国19万5000石の大名となったが、所領が大坂から遠いのが不満だった。出世の道が断たれたと感じたのだ。

 これを進言したのが佐吉(石田三成)だと知って恨んでいたのだが、秀吉が唐入りを考えていると聞いて、まだ戦で手柄を立てる機会はあると望みをつないでいた。ところが唐入りの支度に追われていたとき、佐吉が夜半に訪ねてきた。そしてこう言った「単刀直入に申す。戦に負けてくれ」。(「一本槍」)

「七本槍」と呼ばれた武将のそれぞれの生き方と、八本目の槍、石田三成の本当の姿に迫る7編の連作小説。

(新潮社 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは