「医者が教える お風呂健康法」小林弘幸著

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「腰が痛い」「ぐっすり眠れない」「体がだるい」。このような、病気というほどではないが体調が優れない状態を解決するのに適しているのが、入浴である。

 慢性的な痛みや疲れの鍵を握るのが、「血流」だ。酸素や栄養素を届けて老廃物を回収し、免疫細胞を運ぶ血流がスムーズであるほど、病気に負けない体が育まれる。そして、大切な血流をコントロールしているのが自律神経である。副交感神経の働きが高まると血管は緩み、血流が良くなる。入浴には、血流を促進して副交感神経のスイッチを入れる効果があり、さまざまな体調不良の改善も期待できるというわけだ。

「毎日入浴しているけれどあまり効果を実感できない」という人もいるかもしれない。実は、痛みや疲れのない体をつくるための入浴には、ちょっとした工夫が必要だ。例えば湯の温度は39~40度のぬるめにすること。42度以上の湯に漬かると神経が張り詰めた状態になり、自律神経の交感神経が過剰に刺激される。すると血管が収縮し、血流は悪くなってしまうのだ。また、自律神経のバランスがもっとも整いやすいのが「夕食の1時間後」と「就寝の1~2時間前」。空腹時や満腹時、就寝直前では、入浴の効果が損なわれやすいので気を付けたい。

 本書では、入浴中に行うことで血流と自律神経に効果を発揮するストレッチ法も紹介。両足を軽く開いて湯に漬かり、両手を頭上に伸ばして交差させながらゆっくりと呼吸して上体を横に倒す、あるいは両腕を胸の高さで前に出して交差させ首をゆっくり回すなど、簡単なものばかりだ。

 毎日の入浴時間を有効活用して、痛みと疲れのない体を目指そう。

 (ダイヤモンド社 1300円+税)

【連載】長生きする読書術

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