「草地は緑に輝いて」アンナ・カヴァン著 安野玲訳

公開日: 更新日:

「わたし」は旅先でいつも不思議な草地に出合う。その草地は必ず斜面にあり、まぶしいほど輝く草が茂っている。その緑の壁に沿って、半裸の人間が滑車に通したロープで吊るされている。何かの刑罰のように見えるが、通りかかった町の人の説明によると、彼らは草刈りをしているのだという。草刈り人は最下層出身で、使い捨てにされるのだ。

「わたし」が草地を見上げて立ち尽くしていると、周囲に闇が集ってきて、家々の輪郭も見えなくなってきた。ところが、闇の前進は草地の手前でピタリと止まった。あの草の燃えさかる緑が、全力で闇の行く手を阻んでいる。

 奇妙な世界を描く、本邦初訳の短編集。

(文遊社 2500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンは2028年ロス五輪“出場”すら危うい現実 27年プレミア12が目先の焦点に

  2. 2

    サヘル・ローズさん「憲法9条がある日本は世界に平和を訴える独自の役割がある」

  3. 3

    横浜銀蝿Johnnyさん「キャロル『ファンキー・モンキー・ベイビー』のイントロと革ジャンを着て歌う姿にシビれた!」

  4. 4

    松重豊「孤独のグルメ」続投の裏にある《諸事情》とは…63歳ゴローさんがやめられない理由

  5. 5

    高市外交を「日本の恥」だと批判続出! 夕食会で踊り狂う写真をホワイトハウスが“さらし上げ”

  1. 6

    WBC惨敗は必然だった!井端監督の傲慢姿勢が招いたブルペン崩壊【総集編】

  2. 7

    “性的暴行”ジャンポケ斉藤慎二被告の「悪質性」法廷で明らかに…邪悪が跋扈する歪んだテレビ業界の権力構造

  3. 8

    相次ぐ海外勢欠場の幸運…日本勢は異例の“棚ボタ”メダルラッシュへ【25日開幕フィギュア世界選手権】

  4. 9

    『スマスロ ミリオンゴッド』が4月に登場 史上最高の射幸性を誇った初代『ミリオンゴッド』の伝説

  5. 10

    元ジャンポケ斉藤が裁判で無罪主張の裏で…妻・瀬戸サオリの“息子顔出し”と"名字"隠し投稿の意味深