「生き抜くための12のルール」ジョーダン・ピーターソン著 中山宥訳

公開日: 更新日:

 生物の進化の過程において、鳥であれオオカミであれ、支配権を握った者は堂々とした態度を取り、縄張り争いに負けた一方は、すごすごと姿を消す。こうした行動は、3億5000万年以上前から存在するロブスターでさえ備わった本能だ。

 勝者の脳の化学的な状態はセロトニンが多く、他の個体から攻撃を受けても後退する可能性は低い。セロトニンが姿勢を伸ばすからだ。逆に敗者はオクトパミンが多く、意気消沈した雰囲気をまとっている。現在、成功していなくてもうなだれた姿勢でいては、一層低い地位を与えられる。だから少なくとも背筋を伸ばし、セロトニンを神経経路へ流し込むことが大切だ。そうすると周りは、あなたを有能であることを前提として動いていく――。(ルール1)

 複雑で難しい社会に立ち向かい、意味のある人生を送るための12のルールを提唱し、全世界50カ国で翻訳され400万部突破の大ベストセラー。他にも「助けるべき他者として自分自身を扱う」「疎ましい行動は我が子にさせない」など、興味深い項目が並ぶ。トロント大学教授の著者が、聖書や古代文明などさまざまな文献を引用しながら説得力ある解説を展開する。

(朝日新聞出版 2700円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

    山口達也さんの“再出発”に賛否…TOKIOを連想させる「社名」にドン引きするファンも

  2. 2
    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

    巨人・原監督「実力至上主義」の真っ赤なウソ 坂本&菅野“大甘”重用に中堅・若手ドッチラケ

  3. 3
    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

    目黒蓮の魅力を最大限に引き出した今田美桜「わたしの幸せな結婚」興行収入が“キムタク超え”確実

  4. 4
    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

    山口達也「性加害」に触れず再始動で批判殺到 ハワイデビューの長男Shotaro“支援”が目的か?

  5. 5
    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

    きゃりーぱみゅぱみゅ結婚がWBCの“祭り”に負けず大きな注目を集めた意外性の数々

  1. 6
    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

    不倫報道で降板相次いだ声優・櫻井孝宏の「呪術廻戦」続投に肯定派が多いワケ

  2. 7
    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

    ガーシー容疑者は捜査の「奥の手」使われ白旗か…母親住む実家ガサ入れで号泣配信

  3. 8
    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

    侍ジャパン独身組の“嫁取りラウンド”勃発へ! 板野友美&衛藤美彩がキーパーソン

  4. 9
    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

    NHK大河「どうする家康」がダメな元凶…松本潤のダメダメ演技と合戦シーンの手抜きにアリ

  5. 10
    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地

    佐藤江梨子、MEGUMI、小池栄子は消えず健在…元イエローキャブ40代女優3人の現在地