「妻は忘れない」矢樹純著

公開日: 更新日:

 千紘は3年前に結婚した夫の晶彦に殺されるかもしれないという不安にさいなまれていた。思い返せば、あのときから晶彦は変わってしまった。

 3カ月前、晶彦の父親が急死。葬儀の日、実家に突然、5年前に離婚した晶彦の前妻・佑香が焼香をあげに訪ねてきた。千紘は、晶彦に追い返されるように帰った佑香が帰り際、「いずれはちゃんと奥さんに伝えてよ」と言い残すのを耳にしてしまう。

 その日以来、晶彦は外出が増え、千紘は夫が佑香とよりを戻したと確信。そして、夫の通勤カバンの中にあるものを見つけ、彼が自分を殺そうとしていることに気づく。そんなある日、警察から晶彦がトラブルに巻き込まれたと連絡が入る。(表題作)

 日本推理作家協会賞短編部門受賞作家による戦慄のミステリー集。

(新潮社 590円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち