「白い土地」三浦英之著

公開日: 更新日:

「白地(しろじ)」とは、東電福島原発事故により、避難指示解除の予定の立たない帰還困難地域をいう。

 浪江町は町内に原発が立地していないのに、大量の放射性物質を含んだ雲により町全体が極度に汚染された。「原発立地自治体」ではなく「原発周辺自治体」だったため、国や東電から何一つ情報が寄せられず、原発事故への対応が大幅に遅れた。そのため、町は被ばくの危険のある地域に町民を避難させてしまった。

 浪江町の馬場町長は、本来、国や県が行うべき施策を町独自で行うことに。馬場はかつては原発が喉から手が出るほど欲しかった。原発があれば貧しい町に雇用が生まれ、財政も潤うからだ。

 原発汚染地の「闘う町長」の苦悩を描くルポルタージュ。

(集英社クリエイティブ 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状