「白い土地」三浦英之著

公開日: 更新日:

「白地(しろじ)」とは、東電福島原発事故により、避難指示解除の予定の立たない帰還困難地域をいう。

 浪江町は町内に原発が立地していないのに、大量の放射性物質を含んだ雲により町全体が極度に汚染された。「原発立地自治体」ではなく「原発周辺自治体」だったため、国や東電から何一つ情報が寄せられず、原発事故への対応が大幅に遅れた。そのため、町は被ばくの危険のある地域に町民を避難させてしまった。

 浪江町の馬場町長は、本来、国や県が行うべき施策を町独自で行うことに。馬場はかつては原発が喉から手が出るほど欲しかった。原発があれば貧しい町に雇用が生まれ、財政も潤うからだ。

 原発汚染地の「闘う町長」の苦悩を描くルポルタージュ。

(集英社クリエイティブ 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  2. 2

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  3. 3

    驚きの品揃え! ダイソーでほぼすべて揃う「防災グッズ」の実力は?

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  1. 6

    長嶋一茂はこんなにも身だしなみを意識している? VIOはもちろんアンチエイジングも

  2. 7

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  3. 8

    大関・大の里3度目優勝で期待される「大豊」時代の幕開け…八角理事長も横綱昇進に期待隠さず

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    国民民主党はやっぱり与党補完勢力だった! 企業・団体献金「存続」で自民党に塩を送る罪深さ