「デジタル化する新興国」伊藤亜聖著

公開日: 更新日:

 デジタル技術によって新興国でも地殻変動が起こっている。「ユニコーン企業」(未上場で10億ドル以上の企業価値を持つ創業10年以内のテクノロジー企業)が、アジアや南米、アフリカでも続々と登場している。新興国におけるこうしたデジタル化の進展を俯瞰(ふかん)し、その可能性と脆弱(ぜいじゃく)性を考察したテキスト。

 売り手と買い手の間に立ち、取引を成り立たせる「プラットフォーム」の登場と普及が新興国に先進国以上の変化をもたらしている。一方で、デジタル化は雇用創出効果が少なく、自動化による雇用の減少も危惧される。さらに権力者による監視社会化やフェイクニュースによって社会の分断が先鋭化する恐れもある。

 デジタル化が新興国をどのように変えているのかを解説しながら、日本のとるべき戦略を提示する。

(中央公論新社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議