「隣のずこずこ」柿村将彦著

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 5月の連休中、自宅にいた中学3年のはじめは、同級生の綾子に呼び出される。何でも、はじめらが住む矢喜原の集落に昔から伝わる権三郎狸(たぬき)が出たというのだ。当の狸はあかりという女性と待田旅館に滞在中だという。

 同級生の森田も加わり、待田旅館に行くと、確かに信楽焼の狸そっくりの権三郎狸があかりとお茶を飲んでいた。

 はじめが祖父から聞いた昔話は、矢喜原に美しい女性が現れ、住人たちと親しくなった後に姿を消す。その後、女を捜して権三郎狸が現れ、村人たちを一人残らず丸のみにして、村を焼き払うという内容だった。

 あかりに確かめると、1カ月後に権三郎狸は本当に昔話通りの行動を起こすはずだという。

 1カ月後に消滅を控えた村を舞台に描くディストピアファンタジー。 

(新潮社 630円+税)

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